<   2008年11月   >
ゲーム 趣味

赤線街路 ~昭和33年の初雪~

サークル名

作品内容

終戦から10年を経た昭和33年の冬。
日本には特別に売春を許された地区が幾つも存在していた。
その特別地域は警察の地図に赤い線で記されていた事から、「赤線」と呼ばれ、
人々の欲望と侮蔑を一手に引き受けていた。
主人公はそんな赤線のうち一つである玉柳に足を踏み入れた少年、如月真之。
真之は戦後の混乱期、幼少の頃生活の為に娼婦に身をやつした母を追って赤線街・玉柳に入った。
国会での売春防止法制定を受け、赤線街はあと数カ月で失われる。
手がかりを失う前にと玉柳を訪れるが、母の手がかりは無く途方に暮れる。疲れ果て倒れる真之。
そんな彼を介抱してくれたのは、不思議な落ち着きをもった空崎静枝だった。
彼女は玉柳の赤線宿「薫屋」の娼婦。
赤線街での日々繰り返される生活と人情と情事。
子供としての無力さと恋を覚え、成長をする真之。
いつしか少年の小さかった手は、大事な者を守れるほどに成長して行く。
そして、真之は母と再会する時、何を思うのか?
彼の手は、いったい何を、誰を守るのか?
赤線の灯が消える、昭和33年の春…
運命の日は静かに迫っていた…

◆登場キャラクター
・如月真之(きさらぎ まさゆき)
本編の主人公。「強く正しい大人」に憧れ、既に大人の”つもり”で居る少年。
自分の気持ちに正直すぎで、清濁あわせ飲むことできないで居るが、
その正義感ゆえに赤線街の大人達に反発する。
しかし赤線の大人の生き方に触れて行くうちに、
「自」と「他」を認める事の出来る大人へと成長してゆく。
実家が車やバイクの修理工場で、手伝っていたために機械に強い。
操る事の難しいオート三輪「バタバタ」を相棒に、今日も赤線の街を駆け抜ける。

・空崎静枝(からざき しずえ)
真之が憧れる、物静かで器量よしな女性。
不思議な落ち着きをもった女性で、赤線宿「薫屋」のナンバーワン。
既に時代遅れな着物を普段着として着ている。
真之を「薫屋」に迎え入れた張本人。
清楚で落ち着いていて、とても娼婦には見えない女性と、真之には映る。
落ち着いているように見えるが、心底寂しがり屋で恐がり屋。
初め真之は彼女に母・董子の姿を映し恋焦がれるが、それが故ある事とは知らない。
赤線地区から外へ出る事を極端に嫌っている。
それには数年前に起きた事件が関わっているらしいのだが……

・小此木楓香(おこのぎ ふうか)
静枝に拾われた少女。
真之と同年代の少女で、赤線宿「薫屋」で下働きをして生活をしている。
自分が「薫屋」のお荷物になっていると思っており、拾ってくれた静枝に恩返しするためにも、
自分もいずれは女給として働くつもりでいる。
頑張り屋だが、意外と頑固で負けず嫌い。
静枝に憧れていてその風貌仕草を真似しようとしているが、
まだまだ全然届いていない。
「早く大人になりたい」という気持ちを真之と同様に持っており、
真之とは反対の「しなやかに耐える大人」を目指してゆく。
それゆえに真之と同じようなところで、大人への道に躓いてゆくのだが……

・来生千尋(きすぎ ちひろ)
薫屋の娼婦。あけっぴろげで気さく、明るくてよく喋りよく怒る感情豊かなお姉さん。
口こそ悪いが、相手のことを思っての言動なので、周りからは好かれている。
そんな性分ゆえに一人で何でも抱えてしまう事が多い。
真之が「薫屋」に来てからは、真之をからかう事が日課。
真之の直情的な行動に怒ったり呆れたりしているが、内心は新鮮な驚きでもって見守ってくれている。
赤線業を「お上に許されたビジネス」と割り切って居る。
それが真之には理解が出来ずに反発ばかりしているのだが、
やがて千尋には千尋の守るべきものがある事に気がついてゆく。

ジャンル

価格

3780円